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ABOUT CLOCHEクロシェについて

MESSAGE代表者あいさつ

沼部美由紀

株式会社クロシェホールディングス代表取締役の沼部美由紀さんにスタッフがインタビューしました。2020年に「サスティナビリティ」を企業活動の核にすえ、無駄なものを作らず余剰在庫を持たない受注生産方式を全ブランドで開始させた、その決意のきっかけとねらいについて聞きました。また各ブランドが活性化させているお客様との双方向コミュニケーションについてや、持続可能なあたらしい習慣や価値観についてもポジティブな視点からの考えに触れました。

今までのやり方を全否定してでも、大きく価値観を変えるべき。地球にやさしい素材・作り方・お店のあり方を探っていきたい。

去年、美由紀さんが舵を大きく切って、高らかにサスティナビリティへの取り組みを宣言しましたね。あのタイミングだったのはなぜでしょう?

たしか5月の晴天の日で、空を見て、「アパレルはもうモノをつくってはいけないわ。」と。
過熱した売上至上主義は持続不可能。もう辞めるべきだと思ったの。
「でもモノを作らないアパレルって何よ?」って自分にツッコみながら(笑)

そう思ったきっかけは?

やっぱりコロナはものすごい衝撃的で、今まで何度か倒産するかも、と思ったことはあるけど今回ばかりは「無理」って思った。会社も世の中もね。
でも、工場が止まって空気が美味しくて、空がきれいで、海がキラキラ光ってるのを見て、こっちの世界に全員が行くべきと思った。それが一番の方向転換のきっかけ。

方向転換するには、全て否定しないといけない。自分たちがやってきたことも、業界のことも。
心の奥では思ってたのよね。こんなにモノ作っていいの?こんなにセールしていいの?そしてこんなに廃棄していいの?って。

複数買いを煽るような商法には昔から違和感はあったけど、作ったものは売らないといけない。そういうことはサステナじゃないって思っていても、予算通りに動かないと利益がでないから、目先の売上を作っていくことしか考えてなかった。
でもこれからはそういう考えはやめる!
根本的に会社って、社会をよりよくするためにあるもの。これが大前提。
そう考えたら、今までアパレル産業でやってきた作り方は、間違いなく「NO」。

買っていただけるお客様にも賛同してもらって初めて売れるものだから、きちんと伝わるように表現しないといけないと思ってる。
お客さまに求められないと意味がないからね。少しでも地球にやさしい素材・作り方・お店のあり方を探っていきたい。

これからのブランドは一方的に発信するのではなく、お客様と双方向的に育てていくもの。

今年、クロシェではサスティナブルを掲げたブランドが誕生しますね。

そうね、ENTO(エント)
縫製の良さ、生地の質、デザインの良さには当然こだわっているけど、それに加えて特徴的なのは、機能性と地球にやさしい素材をつかうこと。人間にも地球にも優しいブランドね。

JasminSpeaks(ジャスミンスピークス)の元ディレクターのユカがENTOを立ち上げるにあたって掲げたテーマは、シンプルだけどデザインの効いたこだわりの服を作ること。そして機能性やエコ素材についても勉強しながら、SNSなどで等身大で発信していくようなブランドにしたいそうです。

今までのブランドって一方的に「カッコいいでしょ」「きれいでしょ」って発信してきたけど、双方向的にお客様と一緒に育てていくっていうのがいいよね。

farfalle(ファルファーレ)も、farfalle CLASSICAL(ファルファーレ・クラシカル)というレーベルでお客様と一緒に商品企画をする試みを始めています。
定番商品のmine#1(マイン・ナンバーワン)はお客様のフィードバックを集めて、改善していくアイテム。
現在、約100名の方にモニター参加していただくことになってます。

アンケート結果を見たけど、良く評価してくれているところもあれば悪い評価もあって、次の商品開発の参考になるから助かるよね。
たとえばTRECODE(トレコード)神戸・山の手スカートも今や10,000枚売れるヒット商品だけれど、ちょっとした工夫の集積の結果だと思う。
やっぱりいろんな意見を取り入れながら一緒に作っていくのがいいよね。

TRECODEといえば岡山に今年新しい拠点ができますね。
モノを売る店舗ではなく、ロジスティックとオンラインメインに発信するスタジオを兼ねた新拠点。神戸・山の手スカートの新作を段階的に受注生産にするということも決まりました。受注生産という商習慣を、全国に広めていけたらいいですね。

岡山見に行ったよ。ロードサイドでいいとこにあったわ。
今年は全ブランドが新しいことをするので、楽しみ。

クロシェのあらたな挑戦

サスティナビリティ=楽しいこと、とポジティブに伝えてみんなで価値観をシフトしていきたい。

今年の抱負はありますか?

サスティナビリティを習慣として定着させること。
あとは、神戸の企業として2025年の万博に、SDGsの挑戦という観点で関わりたいと思ってる。もちろん大企業じゃないからパビリオンを起こすってことじゃなくて、全ての人が参加できるプロジェクト(「Team Expo 2025」公式ページ https://www.expo2025.or.jp/team/)があるの。これに参加して、関西全体で盛り上げて世界に発信出来たら。

クロシェのサスティナビリティの取り組みに、受注生産を広めるということがありますが、今後、受注生産以外で取り組みたいことはありますか?

サスティナブルなアクションを起こすことは「楽しいこと」っていう価値観を広めることかな。「何かをしてはいけない」というより、持続可能な方法を選択して行動することが「ここち良い」と思えるように伝えたい。

今までだと、例えば高級なものを手に入れることで、階級が上がったような高揚感が求められていたけど、これからは、地球環境に優しい生活をすることで充足感を得るようになると思う。
わたしたちはアパレル企業として、ファッションの価値観をシフトさせないといけない。
エシカルな服の方が良いよねってみんなが心から思えるように。

沼部健のインタビューはこちら