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ABOUT CLOCHEクロシェについて

STORYクロシェものがたり

第1話
キレイなだけじゃ、売れない!」の巻
インポート食器販売で創業

インポート食器販売で創業

1996年に神戸・六甲アイランドで生まれたわずか5坪の「Rue de Gallary(リュードギャラリー)。これがクロシェの1号店。
美術品商社のバイヤーだった沼部美由紀が26歳で独立開業した食器店です。「ほかで買えるものは売らない!」とのポリシーのもと、有名ブランド食器は一切置かず、ヨーロッパの家庭でごくごく普通に使われていた普段づかいの食器たちを店頭に並べました。そんなレアなセレクトが、神戸や芦屋に暮らすリッチでおしゃれなお客さまの心をつかんで、お店はいきなり大繁盛!

もちろん売り方も工夫しました。「きれいにディスプレーするだけじゃ売れない!」と、店頭イベントを強化。中でもヒットしたのは「梱包解体即売イベント」です。ヨーロッパから船便で商品が届く日時をあらかじめ告知し、お客様の目の前で梱包を解いて即売するのです。カラフルな食器があらわれるたびに歓声が湧き、飛ぶように売れてゆく。モノがいいだけじゃなく、鮮度バツグンでとびきり楽しい!お買い物をエンターテインメントにしてしまうサービス精神は、創業時から変わらぬ「クロシェらしさ」の原点です。

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第2話
パリ16区の暮らしがしたい!」の巻

セレクトショップ開業

セレクトショップ開業

知る人ぞ知る人気店になったリュードギャラリー。デパートの催事にも精力的に出展するようになりました。売れゆきは好調! でも、ひとつ問題がありました。食器は重くて割れやすい。そのため、梱包や搬入・搬出にとにかく手間がかかるのです。そこで沼部はひらめきました。「服ならもっと軽いやん!」と。

売りたい服はありました。パリ16区の普段着です。前職のアートの買い付けの拠点にしていたパリは、バイヤーとしてのキャリアの原点。中でも、1年の3分の1ほど滞在していた16区は、アッパーな住民がおしゃれに暮らす住宅地で、お手本にしたいライフスタイルがありました。やわらかいカットソーをくたっと肌になじませ、ストールを無造作に巻き、ちょっとそこまで牛乳を買いに行く……。そんなコーディネートのかっこよさといったら!

こうして、ただのカジュアルじゃない。気取ったよそゆきでもない。フランス直輸入の「ワンマイルウェア」が食器店の片隅に並ぶように。そして、1999年にセレクトショップ「Jasmin Speaks(ジャスミンスピークス)」をオープン。同時に食器部門を手放し、本格的にアパレルの道を歩み始めます。

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第3話
着回し無限大の神アイテム」の巻

パドゥリオンのスマッシュヒット

パドゥリオンのスマッシュヒット

アンニュイで粋なパリの日常着──。そんな世界観をトータルで提案するために、オリジナルアイテムも次々に手がけるようになりました。洗える麻のワンピース、お手軽なのにリッチなストール、着ヤセするキルティングコート……。ベーシックにトレンドをほんのりプラスした品のよいアイテムはどれも人気者に。

中でも、レジ前のプラスワンとして売れに売れたのが、タートルカットソー「パドゥリオン」です。ピタピタすぎず、ゆるすぎず。艶のあるストレッチ素材で美しいシルエットに仕立てたカットソーは「Tシャツみたいに楽ちん」と「ブラウスみたいに上品」を両立する〝神アイテム〟だったのです。
「これなら日本中で売れる!」そう確信した沼部は2000年に韓国で専用工場を立ち上げて生産を拡大。全色全サイズを本社に在庫し、「1枚から発注OK。当日発送」というア○ゾン顔負けの配送システムを確立したのです。シーズン半年前にオーダーするのが当たり前だったアパレル業界で、劇的なクイックさを実現したこの受注システムは大当たり。全国から発注が殺到し、パドゥリオンはクロシェを代表するロングセラーに成長します。

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第4話
おしゃれなだけじゃ物足りない!」の巻

新生Jasmin Speaks

新生Jasmin Speaks

パドゥリオンの絶好調が続くなか、ジャスミンスピークスも負けずに進化を続けます。スタッフが充実したこともあり、ヨーロッパ中からエッジーなブランドをいち早く紹介。大手のセレクトに物足りなさを感じていたおしゃれピープルの心をガッチリつかみ、固定客がどんどん増えました。

もうひとつ、ジャスミンスピークスには大きな強みがありました。それは、パドゥリオンをはじめとする、質のよいオリジナル商品が充実していたこと。とんがったモードと、心地よいベーシック。両方をカバーするバランスのよい品揃えがあるからこそ、ライフスタイルにフィットした着こなしや着回しを提案できたのです。都心からちょっと離れた住宅地を狙って店を出したのも、そんな強みを生かすためでした。

こうして、アパレル不況をものともせずにマイペースに規模を拡大し、現在は6店舗に。2012年からMDを本格的に導入し、さらにきめ細かくお客様のニーズに応えています。

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第5話
恐怖の「ゆでガエル」時代!」の巻

売上激減の大ピンチ

売上激減の大ピンチ

しかし、右肩上がりの成長は続きません。安い機能性インナーが巷にあふれ、ついにパドゥリオンが失速。2008年をピークに売上が下がり始めます。さらに、無謀な投資も苦境に拍車をかけました。売上が一気にダウンした2009年に、6階建ての自社ビルを購入したうえ、東京・青山に新店舗までオープンしてしまうのです。
資金不足が経営を圧迫し、売上もじりじりと下がっていく。新しい切り札が必要なのに方法論が分からず、小手先の改善でお茶を濁す日々。社長のアイデアと実行力こそが成長の原動力だったからこそ、社長が迷えば社員も迷います。ビジョンがないまま結論の出ない会議を繰り返し、仕事はどんどん増えるのに、利益は減るばかり。みんなが疲れ果てていく悪循環に陥りました。

それもこれも、パドゥリオンが期待以上に売れたことで、新しい挑戦を怠ってきたツケ。ヒット商品に甘えて「ゆでガエル」になっていたのです。すべてを棚卸しして、学び直さなくちゃ! どん底で初めて外部コンサルタントを招き、社員全員で経営分析や戦略立案を猛然と学び始めます。

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第6話
オリジナルで勝負せよ!」の巻

新ブランドが続々誕生

新ブランドが続々誕生

ゆでガエル時代を終わらせたのは、2つの新しいブランドの成功でした。
ひとつは、2011年にスタートした「Teepee of the day(ティーピー・オブ・ザ・デイ)」。土臭い素材と都会的なデザインを融合させたアウトドア系のライフスタイルブランドです。実はこのブランド誕生のきっかけは「会社がヤバイから、もう家を売るしかない」と考えた社長・沼部が、家の代わりに(!)キャンピングカーを買ったこと。週末ごとにキャンプに出かけた経験から、「大自然のパワーを都会に呼び込もう!」という発想が生まれたのです。創業時代、「パリのワンマイルウェアを日本に紹介したい!」と熱く願った情熱の再来でした。

もうひとつは、韓国のトレンドファッションから着想したオリジナルブランド「TRECODE(トレコード)」です。長くネット戦略を担当してきた女性社員がプロジェクトリーダーになり、的確な売れ筋予想と、効率的な流通システムを武器にぐいぐい成長します。特にオンラインショップで人気に火がついた「山の手スカート」はオールシーズン売れる主力商品に。社長個人の発想力に頼らないブランドがようやく育つようになったのです。

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第7話
ポップアップショップが全国行脚!」の巻

新ビジネスモデルを確立

新ビジネスモデルを確立

そして2014年、クロシェ新時代を象徴するブランドが生まれます。バレエシューズ「farfalle(ファルファーレ)」です。アイテムとしては目新くないものの、地元神戸の靴職人が製造を手がけ、エレガントなデザインとやわらかい履き心地を両立させたことが新たな需要を引き出しました。〝海外のいいもの〟を紹介するのが得意なクロシェが日本に目を向け、初めてチャレンジした「メイドインジャパン」です。

ビジネスモデルも1から構築しました。ユニークなのは、百貨店のポップアップショップに力を入れたことです。チームを組んで全国のデパートを行脚し、カラフルなディスプレーで楽しさを演出。ファストファッション全盛時代だからこそ「わくわくできる体験」づくりにこだわりました。口コミで知名度が上がり、SNSで「履き心地のいいおしゃれなシューズ」として有名に。2018年にはテレビにも登場! 全国にファンが広がった今、年間150回以上ものポップアップショップを開いています。この仕組みはトレコードなど他のブランドにも適用され、クロシェの代表的なビジネスモデルのひとつになりました。

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第8話
ちゃんとした会社にならなくちゃ!」の巻

2019 ▶ ホールディングス化

2019▶ホールディングス化

2016年、創業20周年を迎えたクロシェは、どん底からのV字回復で史上最高の売上を達成します。ピンチから復活して、たどりついた節目。この時の社員みんなの決意。それは「ちゃんとした会社にならなくちゃ!」

会社が成長するためには、働く人が快適じゃないといけません。だから、まず手をつけたのが「働き方改革」です。クロシェの社員は9割以上が女性。もともとワーキングママのための時短制度はありましたが、より自由に働けるようフレックスタイム制を導入。評価システムも見直して、1人ひとりの成長や成果を客観的に評価できるしくみを整えました。
組織もすっきりさせました。3社に分かれていた事業会社をひとつにまとめ、ホールディングス会社を新たに設立。アパレル事業に限らず、新しい分野にも臆せずチャレンジできるよう「ホールディングス」という大きくて自由なハコを作ったのです。そして2019年、クロシェでは「ファルファーレのグローバル展開」という新しい挑戦がスタートしています。

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第9話
革命は今!急接近する未来」の巻

2020 ▶ COVID-19で加速する改革

2020▶COVID-19で加速する改革

ホールディングス化、組織変革、海外進出と、眩しい未来に足を踏み出した矢先、青天の霹靂。新型コロナウイルスがまたたく間に世界中を飲み込みました。
2020年EUのパンデミックに息をのんでいたのも束の間、日本国内でも非常事態宣言が発令され、クロシェの直営10店舗は全て休業、そして全国各地で開催予定だった百貨店POP-UP SHOPは次々と中止になりました。

目に見えない不気味な脅威に手も足も縛られて、身動きが取れないショップスタッフたちでしたが、SNSを使ったライブ配信の方法を一斉に習得し、すぐにスマホを通じてファッションの楽しい体験をお客様とシェアし始めました。 またオンライン上で接客・販売ができるシステムも導入。店舗や営業時間に関係なく、コーディネート提案などの接客ができ、自分のコンテンツが購入につながったことも手元のアプリで確認できます。

事務所スタッフたちは在宅勤務になり、常時カメラONのライブ状態で、部署を超えてチームワークを発揮し、オンラインショップやSNSまわりを急ピッチで強化したり、WEBシステムを導入したり、海外買い付けにいけない分の商品を国内在庫でカバーする策を講じます。

一方そのころ、スタッフのいない閑散とした事務所で、思わず脱力した沼部でしたが、窓から見えた青空の美しさに心を奪われます。
ひと気のない静かな街のはるか高いところで悠然と広がる青空は、本当に大切なものが何なのかを示してくれるようでした。

企業として、そして美しい地球に生きる一個人として、地球にやさしい存在でありたい。
沼部は、アパレル業界の負の習慣である過剰生産の廃止に、全社を挙げて取り組むことを決意し立ち上がります。
そして、クロシェのサステナ宣言「Redraw the Circle(循環を描きなおそう)プロジェクト」を発表し、無駄なものはつくらない「受注生産」を各ブランドで開始させました。

「あたりまえ」が通用しない今、世界規模で革命が起こっている今、勇気を出して習慣を変えるべき時は、まさに今!
2021年、クロシェはすべてのブランドで あらたなチャレンジを試みます。
ここち良さを、あたらしい世界へ。クロシェの未来にご期待ください。

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